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JIS R1654:2003 pdfダウンロード

JIS 09-27
JIS R1654:2003 pdfダウンロード

JIS R1654:2003 pdfダウンロード。ファインセラミックスの ボールオンディスク法による高温摩耗試験方法 Testing method for wear resistance of fine ceramics by ball-on-disk method at elevated temperatures
1. 適用範囲
この規格は,構造用ファインセラミックスの摩耗試験のうち,高温において球状試験片
と円板状試験片とを摩擦(しゅう動)させるボールオンディスク法による試験方法について規定する。
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示 JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性 JIS C 1602 熱電対 JIS R 1613 ファインセラミックスのボールオンディスク法による摩耗試験方法 JIS Z 8401 数値の丸め方 JIS Z 8807 固体比重測定方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) 摩耗 固体,粉体などとの摩擦による機械的作用によって,材料がその表面から逐次離脱していく現象。
b) 摩耗試験 規定の試験方法によって試験片を摩擦させ,その材料の耐摩耗性を評価する試験。
c) ボールオンディスク法 摩耗試験方法の一つであって,回転する円板状試験片に球状試験片を一定荷重で押し付けてしゅう動させる試験方法。
d) 摩擦係数 固体同士の摩擦において,相対運動を妨げる方向に働く力(摩擦力)の荷重に対する比。
e) 比摩耗量 単位荷重及び単位しゅう動距離当たりの摩耗体積。
4. 試験装置
4.1 ボールオンディスク法試験機 円板状試験片を保持する円板ホルダ,それを回転させる駆動装置,球状試験片を保持・固定する球ホルダ,それを円板状試験片に押し付ける荷重機構,摩擦力の検出機構,球状及び円板状試験片の加熱機構,測温及び温度制御機構並びにその周辺装置から成る。
a) 円板ホルダは,水平面内で回転し,回転軸の振れは0.02 mm以下,接触部における回転軸方向の振れは0.05 mm以下に調整されているものとする。
b) 駆動装置は,規定のしゅう動速度が得られる円板回転速度に設定でき,また,摩擦力の変動による回転速度の変化が無視できるものでなければならない。
c) 球ホルダは,球状試験片を完全に固定し,円板状試験片との接触部で発生する応力に対して高い剛性をもつものでなければならない。
d) 荷重機構は,おもり又はばね,油圧,空気圧などによる。
e) 摩擦力の検出機構は,ロードセル,板ばねのひずみ測定,回転トルク計測などの任意の方法を用いてよいが,検出機構が摩擦状態に影響を与えてはならない。
f) 加熱方式は,任意でよいが,球状及び円板状試験片を100 ℃以上に,かつ両試験片のしゅう動部位を同等に加熱できるものでなければならない。
g) 温度測定は,JIS C 1602に規定する熱電対による。熱電対では円板状試験片の温度を測定するものとする。
h) 試験雰囲気は,大気とする。
4.2 金属顕微鏡又は走査型電子顕微鏡 (SEM) 摩耗こん(痕)の径及び幅を10 μmまでの精度で読み取れるものを用いる。
4.3 表面粗さ測定機 JIS B 0651に規定する触針式表面粗さ測定機,又はこれと同等以上の精度をもつものを用いる。
4.4 はかり 試験片質量を0.1 mgまでの精度で読み取れるものを用いる。
5. 試験片
5.1 球状試験片 直径9〜10 mmの球,又は先端部を曲率半径4.5〜5 mmの球面に加工した棒状試験片。試験面の表面粗さは,JIS B 0601に規定する,0.1 μmRa以下とする。
5.2 円板状試験片 直径30 mm程度のしゅう動円が十分に得られる平面をもつ厚さ3 mm以上の試験片。試験面の平面度及び上下面の平行度は,いずれもJIS B 0621に規定する0.02 mm以下とする。試験面の表面粗さは,JIS B 0601に規定する0.1 μmRa以下とする。
備考 通常,球状試験片及び円板状試験片は,同一材質とする。
6. 試験方法
6.1 試験片密度の算出 JIS Z 8807に規定する固定比重測定方法から求めた値を用いる。
6.2 試験片の処理 球状試験片及び円板状試験片は,試薬特級アセトン中で5分間以上超音波洗浄し,120℃で30分間以上乾燥させた後,デシケータ中に保存する。
6.3 試験前の質量測定 摩耗試験の直前,はかりで各試験片の質量を測定する。
6.4 摩耗試験の準備 球状試験片及び円板状試験片をそれぞれのホルダに固定し,両者を静かに接触させる。規定の荷重を加え,試験片の温度が設定された条件で安定した後,円板状試験片を回転させて試験を開始する。
6.5 摩耗試験の条件
a) 荷重 荷重は,目的に応じて選択する。推奨値は10 Nとする。
b) しゅう動速度 しゅう動速度は,目的に応じて選択する。推奨値は0.1 m/sとする。
なお,円板回転速度,しゅう動円直径の推奨値は,それぞれ64回転/分,30 mmとする。
c) しゅう動距離 しゅう動距離は,目的に応じて選択する。推奨値は1 000 mとする。
d) 試験温度 試験温度は100 ℃以上で,目的に応じた任意の温度とする。

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