JIS K7109:1986 pdfダウンロード。プラスチックの寸法許容差の決め方 General Tolerancing Rules for Plastics Dimensions 1. 適用範囲 この規格は,プラスチックの合理的な寸法許容差を定める方法の,一般的な事項について規定する。 2. 用語の意味及び記号 この規格で用いる主な用語の意味及び記号は,次のとおりとする。 (1) プラスチック 高分子物質を主原料として人工的に有用に形作った固体。ただし,繊維・ゴム・塗料・接着剤などを除外する。 (2) 基準値 (m) 組立者が図面に示したプラスチックの基準の寸法。 (3) 許容差 (⊿) 基準値と規定された限界値との差。 (4) 生産者 プラスチックを製造する者。 (5) 組立者 プラスチックを使った製品を製造する者。 (6) 使用者 組立者の製品を使う者。 (7) 許容限界値 (⊿0) プラスチックの寸法が基準値と異なって使用者又は組立者の段階で不具合を生じる場合に寸法に許容される限界値と基準値との差。 (8) 平均損失 (A0) 寸法が許容限界値を超えたときに発生する損失の平均。 (9) 生産者側の損失 (A) 組立者が生産者から購入する場合の価格(購入原価の推定値)。 (10) 比例定数 (k) 経済的損失を表す定数。平均損失A0を許容限界値⊿0の2乗で除した値。 200⊿Ak=(11) 選定許容限界値(1) (⊿0) 使用者と組立者の比例定数kのうち大きいほうのkの許容限界値。 (12) 選定平均損失(2) (A0) 使用者と組立者の比例定数kのうち大きいほうのkの平均損失。 注(1) 許容限界値と記号が同じであるが,使い方で区別する。 (2) 平均損失と記号が同じであるが,使い方で区別する。 3. 許容差の求め方 3.1 選定許容限界値⊿0及び選定平均損失A0の求め方 次の手順によって求める。 (1) 使用者の段階における許容限界値⊿0及び平均損失A0を推定する。 (2) 組立者の段階における許容限界値⊿0及び平均損失A0を推定する。 (3) (1)及び(2)の比例定数kを求める。 (4) 二つのkの値を比較し,kの値の大きいほうの許容限界値⊿0及び平均損失A0を選択する。 備考 1. 許容限界値⊿0及び平均損失A0は,おおよその値でもかまわない場合が多い。 2. 許容限界値⊿0及び平均損失A0が寸法のプラス側とマイナス側で異なるときは両側で別々に