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JIS Z4520:2007 pdfダウンロード

JIS 09-22
JIS Z4520:2007 pdfダウンロード

JIS Z4520:2007 pdfダウンロード。ゲルマニウムγ線検出器の試験方法 Test procedures for germanium gamma-ray detectors
1. 適用範囲
この規格は,ゲルマニウムγ線検出器の製造業者及び使用者にとって重要な性能及び特性の試験方法について規定する。主として高分解能γ線スペクトロメトリーに用いるゲルマニウムγ線検出器の試験方法について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD(修正している),NEQ(同等でない)とする。
IEC 60973 : 1989,Test procedures for germanium gamma-ray detectors (MOD)
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 4001 原子力用語
JIS Z 8103 計測用語
IEC 60333 : 1993,Nuclear instrumentation−Semiconductor charged-particle detectors−Test procedures
IEC 60759 : 1983,Standard test procedures for semiconductor X-ray energy spectrometers
3. 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 4001及びJIS Z 8103によるほか,次による。
a) イオン注入 (Ion implantation) 加速したイオンビームを結晶表面に衝突させ,結晶中にイオンを注入する工程。
b) 半値幅 (Full width at half maximum, FWHM) ピークの最高値の1/2における分布の幅。正規分布では標準偏差σの2.35倍に等しい。
c) 1/10値幅 (Full width at 0.1 maximum, FW0.1M) ピークの最高値の1/10における分布の幅。FW1/10Mともいう。
d) 1/50値幅 (Full width at 0.02 maximum, FW0.02M) ピークの最高値の1/50における分布の幅。FW1/50Mともいう。
e) 高純度ゲルマニウムγ線検出器 (High-purity germanium gamma-ray detectors, HPGe) 高純度ゲルマニウム単結晶(不純物濃度は,1×1010cm−3以下が一般的である。)を用いたγ線検出器。使用時にだけ冷却を行えばよい。
f) ゲルマニウムγ線検出器 (germanium gamma-ray detectors) 高純度ゲルマニウムγ線検出器,Liドリフトゲルマニウムγ線検出器等の総称。
4. 構造
4.1 構造一般 ゲルマニウムγ線検出器の素材は,低温(液体窒素の温度程度)で,かつ,高い逆バイアス電圧の条件下でダイオードとして動作するゲルマニウム単結晶である。逆バイアス電圧を印加することによって,検出器の大部分で空乏層が形成される。この条件の下,光子の相互作用によって生成された電子及び正孔は,各電極に向かって空乏層内を移動する。電極に移動した電荷は積分され,吸収された光子エネルギーに比例した大きさのパルス信号を出力する。 一般的にゲルマニウムγ線検出器は,リーク電流及び熱雑音を減少させるため,検出器を冷却し,低温を維持するためのクライオスタットの中に収納する。クライオスタットは,検出器の保護及び適切な環境を保つ役割も果たしている。 通常のゲルマニウムγ線検出器は,ゲルマニウム結晶,前置増幅器,高電圧フィルタ及びクライオスタットが一体構造になっており,前置増幅器と分離して単独のユニットとして検出器の性能を測定することは,一般的ではない。
4.2 検出器の分類 ゲルマニウムγ線検出器は,材質及び幾何学的構造によって分類する。
a) 材質による分類 材質としては,p形ゲルマニウム及びn形ゲルマニウムがあり,高純度のゲルマニウム単結晶を用いた高純度ゲルマニウムγ線検出器が一般的である。
1) p形検出器 p形検出器は,外側にn+電極(リチウム拡散が一般的であり,不感層の厚さは,0.5〜0.8 mmである。)をもったp形ゲルマニウム結晶[図2 a) 参照]から作る。内側のp+電極は,ほう素などのイオン注入で作る。空乏層を形成するために,正の高電圧を外側のn+電極に印加する。
2) n形検出器 n形検出器は,逆電極形検出器ともいい,n形ゲルマニウム結晶の外側にp+電極をもつ。この外側の電極は,ほう素のイオン注入[図2 b) 参照]などによって作る。内側の電極は,リチウム拡散で作るのが一般的である。空乏層を形成するために,負の高電圧を外側のp+電極に印加する。外側の電極は,薄くできるので(約0.3 μm),低エネルギーX線検出器としても利用できる。 n形検出器は,p形検出器と比較して中性子損傷に対する抵抗性に優れている。
b) 幾何学的構造による分類 一般的な幾何学的構造は,プレーナ形及び同軸形である。これらの違いは電極の構造による。プレーナ形は,並行な面に電極をもつ円板状が一般的である(図1参照)。同軸形は,一方が閉端の同軸円柱の形をした電極をもつ(図2参照)。
1) プレーナ形検出器 プレーナ形構造は,低雑音を可能にする小さい直径の検出器及び/又は小容量の検出器に有効であり,特に低エネルギーX線に対して高分解能が得られる特長がある。プレーナ形検出器でも大容量で大入射面積のものもあり,外部電極構造を薄くすることによって,低エネルギーX線も高効率で検出できる。プレーナ形検出器には一般形とハイブリッド形があり,一般形は単純な平行平板構造[図1 a) 参照]をしている。ハイブリッド形は,低静電容量を実現するために,片側の電極を小面積にした構造をもつ[図1 b) 参照]。
2) 同軸形検出器 同軸形構造のものは,高エネルギーγ線に対しても,比較的高い検出効率が得られるように,検出器を大容量にすることが可能である。

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